乾燥肌やアトピーなどの肌荒れに使用される漢方の種類や使用方法。また、歴史の深い漢方独自の世界や、治療に関する考え方などについてまとめています。様々なシーンで登場するようになった漢方は身近な肌荒れ対策アイテムです。
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最近は漢方がいろいろと話題になっています。ツムラやカネボウなどから、通称「カジュアル漢方」と呼ばれるものがドラッグストアなどで目立ちます。肌荒れに対しての改善策として漢方もあげられますが、漢方とはどういったものを言うのでしょうか。漢方は中国から伝来した、草根木皮や動物類を原料とした漢方薬を使った医療のことを言います。
漢方にの考え方においては、肌荒れも単に皮膚だけの問題でなく「気・血・水」のバランスが乱れることによりおこると考えられています。漢方を使用するだけでなく、全身の体調を整え、体質改善を図るなど体の内側、内面から肌荒れを治療していくことを重要としています。
「気」はエネルギーを示し、字のごとく精神的な働きも意味しています。「血」は血液自体や、血流、血行など循環の事をあらわします。「水」は体の大半を占める血液以外の水分と代謝のことを差します。この3要素が体内を順調に循環している状態が漢方の考えでは健康となります。「気・血・水」のバランスが乱れる事で体調不良になったり、様々な肌荒れをおこしたりすると考えられています。
中国4千年の歴史から生まれた漢方の考え方はなるほどと言ったところがありますね。精神的なストレスもなく、血行や血流、体に大切な水分が正常な状態であれば病気や肌荒れすることは無いという事です。肌荒れにはどんな漢方薬があり、効能があるのかなど興味を持たれた方は専門医や専門店で相談すると良いでしょう。
アトピーを漢方的視点からみると、原因は体の「冷え」にあるといわれています。体の冷えは、「表熱裏寒」という状態を生み出し、これがアトピーのかゆみなどの症状をもたらすわけです。体の冷えにより、代謝が不十分となり、体内の血液や水分が汚れてしまいます。汚れた水分や血液は、熱の影響により体の上部や体表面へと向かい、そこで痒み、ほてり、むくみ、暑がり、滲出液等の症状が生じます。一方体の下部や内側では、便秘や下痢、軟便、足元の冷え、疲れやすさ、低体温等の症状が起きることになります。
アトピーの治療としての漢方療法は、この冷えを解消する漢方ということになります。漢方療法で注意したいのは、冷えが改善されると自然治癒力が強まるため、体の毒素が排出される=皮膚表面のアトピー症状が激しくなる場合があるということです。これはアトピーが改善されていくプロセスですが、症状が重くなったように見えるので注意が必要です。アトピーの治療として漢方療法を活用する場合、注意したいことがあります。それは、アトピーの症状を軽くするための漢方療法では、治しきることができないということです。
アトピーの症状を楽にする漢方には、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、温清飲(うんせいいん)、消風散(しょうふうさん)、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)などが挙げられます。これらは、一時的にはアトピーの症状を軽減してくれますが、体質(冷え)を改善してくれるものではありません。漢方療法といえども、アトピー治療に限らず、その漢方が根本的原因を改善するものでなければ根治はしません。漢方ならば何でもいいわけではないので、注意が必要です。アトピーの漢方療法は、数ヶ月はかかります。またそれと並行して、お酒やたばこやお菓子の摂取を控えることも必要です。
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乾燥肌やアトピーなど、様々な肌荒れ対策に漢方が利用されています。意外と身近になった漢方、その利用方法や漢方独特の考え方について解説。
Copyright 肌荒れと漢方 2009